強酸性水とは(興研から引用)

次亜塩素酸水は人体には安全で効果はアルコールより優れていますが、使い方を間違えると効果がありません。

次亜塩素酸水は高濃度アルコールと違いノロウイルスにも効果があり、殺菌能力は高いですが、欠点として生成後時間とともに効果が減弱し、ただの水に戻ります。すなわち時間がたってしまうとただの水とお考え下さい
お渡しするのは当日生成した、また殺菌効果を示したエビデンスの多い強酸性の次亜塩素酸水です。
保存期間を延ばすために、遮光ボトルあるいは何かでカバーをした500mlのペットボトルをご持参してください。 ①生成後、時間とともに効果が減弱していき、ただの水に戻ります。新しければ新しいほど良いとお考え下さい。
保存期限の目安は生成後  密閉常温保存 3日 密閉遮光常温保存 1週間 遮光密閉冷所保存(4度以下)1か月 です。
ただ当院では使用する場合はもっと短い時間で使っています
②高濃度アルコール消毒液と同様、一定以上の濃度でないと効果がありません。有効濃度は20-60ppmです。当院の生成器は内視鏡洗浄機も扱う信頼性の高い会社が製造している強酸性次亜塩素酸水生成器です。濃度は約50ppmです。
有機物と混ざると直ちに効果がなくなってしまいます。万が一の混入を防ぐために薄めないでください。

使い方

①使い方はほぼ高濃度アルコール消毒液と同じとお考え下さい。手洗い、消毒などにお使いいただけます。
②高濃度アルコール諸毒液と違い、ノロウイルス等エンベロープがなくても効果があります。
③強酸性ですが常識範囲内では無害です。また有機物と混ざると水に戻る性質のため、うがいも可能と考えています。口の中で30秒ほどため、吐き出してください。万が一飲んでしまっても大丈夫です。
⑤当院の次亜塩素酸水は一番効果等が考察されている、強酸性です。消毒など頻回におこなうと金属は錆びます。水で拭いてください。

そもそも次亜塩素酸水って(種類がいろいろある)

新型コロナウイルス感染の流行にともなって、次亜塩素酸水が注目を浴びています。高額でネット通販でも売られているようです。効果のほうはどうなんでしょうか?答えはそれぞれ生成装置、性状が異なるので、よくわかりません。というのは医療現場で使用されるのは強酸性で、よく売られてるのは弱酸性、中性などで種類がちょっと違って、効果をしめしたエビデンスが不明だからです。次亜塩素酸水は短時間で効果のある非常に優れた消毒薬で内視鏡機器の洗浄にも使われますが、使用するのはいろんな条件を満たしている必要があります。その理由は次亜塩素酸水が非常にデリケートな消毒薬だからです。高濃度アルコールは取り扱いはそれほど知識はいりませんが、内視鏡等の洗浄には使われません、理由は強酸性次亜塩素酸水とは違いウイルス、細菌を全部殺菌できないからです。今回の新型コロナウイルスはエンベロープをもっているため、それをアルコールが溶かすので効果があるのですが、ノロウイルスのようなエンベロープをもたないウイルスにはアルコールは無力です。なので医療機器の消毒には使われません。今回のコロナがもしエンベロープがなかったら、殺菌能力はなかったわけです。

内視鏡洗浄に使われる消毒薬について(強酸性次亜塩素酸水含む)

内視鏡洗浄で従来から、過酢酸消毒薬もしくはフタラールかグルタラールなどが洗浄薬として使用されていますが、欠点として人体に有害なため換気なども含め使用上の注意が必要です。それで次亜塩素酸水が人体に無害ではるかに短時間で殺菌効果があることに注目されるようになりました。ただ欠点として①有機物の混入で効果がなくなる②時間とともに効果が薄れ、ただの水に戻ってしまう③効果がなくなっても見た目では区別がつかないことが問題視されていました。そのため長い間消毒薬としての認可が厳しかった歴史があります。使用していた次亜塩素酸水は強酸性で、強酸性水とよばれてました。今でも強酸性水とよびますが。製造メーカーも効果を表すエビデンスがないと認可されないので、強酸性次亜塩素酸水での効果をみている殺菌効果のデータばかりです。今は内視鏡洗浄機は次亜塩素酸水の欠点をカバーした有機物など不純物が混入のない、生成後すぐに使いきる全自動の内視鏡洗浄機が認可されています。

中性や弱酸性の次亜塩素酸水の効果は?

医療機器メーカーでは強酸性次亜塩素酸水のみをあつかっています。よくネットで販売されている中性や弱酸性などの次亜塩素酸水ついて自分で調べたりメーカーに尋ねてみましたが、信頼できる弱酸性、中性などの次亜塩素酸水のデータがほとんどなく効果のほどはよくわかりませんでした。ただ強酸性次亜塩素酸水と同じように考えるなら、①濃度は20-60ppmぐらいであること。②生成後なるべく早く使うこと。基本的には遮光密閉で1週間以内に使い切る③まぜて有機物が混入したらきかなくなるので、薄めないもの。となります。なのでネット販売などは生成後当日届けばいいのですが、日にちがたつとその分水にもどっているということになります。

電解水

電解水は、水道水(H20)と食塩(NaCl)を原材料として、有隔膜式電解槽内で電解して得られる水です。
陽極(+)側に生成されるのが強酸性電解水で、次亜塩素酸(HOCl)を主な有効成分とし、pH2.2-2.7、酸化還元電位(ORP)+1,100mV以上、有効塩素濃度20~60ppmという物性を示します。 その殺菌力は有効塩素濃度40ppmの強酸性電解水で、同じ塩素系消毒剤である次亜塩素酸ナトリウム0.1% (1,000ppm)を上回る(約25倍)殺菌活性を示します。 強アルカリ性電解水は、強酸性電解水と同時に陰極側から生成される副生成物です。
pH値は10.0以上の強アルカリ性を示し、酸化還元電位(ORP)も-800mV以下に低下します。強アルカリ性電解水は、水酸化ナトリウム(NaOH)を微量に含むことから、タンパク質の溶解や油脂を乳化させる力(洗浄力)を持っています。

優れた殺菌力

強酸性電解水の殺菌基盤は、電気分解により発生する次亜塩素酸(HOCl)です。物理化学分析(ESR)の結果、強酸性電解水中にはヒドロキシラジカル(・OH)や過酸化水素(H2O2)が生成している事が分かっています。興味深いことに、これらの化学種は生体内における好中球が生成するものと同じです(好中球は白血球の一種で生体内に浸入してきた細菌を貪食し殺菌することで感染を防ぐ役割があります)(図1)。

また、強酸性電解水で処理した細菌は、細胞表面や菌体内の核酸(DNAやRNA)やたんぱく質が損傷を受けることが電子顕微鏡観察、核酸分析たんぱく質分析によって明らかになっています。さらにメチオニン(アミノ酸の一種)のS(硫黄)が酸化されることも明らかになっています。これらの現象はヒドロキシラジカルの作用によるものです。

強酸性電解水は、薬剤耐性菌(MRSAや緑膿菌など)を含めた病原菌、腸管出血性大腸菌O-157やサルモネラ菌など幅広い食中毒菌に対して即効的殺菌活性を示します。また、消毒剤をはじめとする化学処理に抵抗性を示すとされる芽胞形成菌に対しても殺菌効果を示します(図2)。

図1.強酸性電解水中の殺菌機序 図2.芽胞形成菌への作用

<参考 強酸性電解水の効果>

参考 強酸性電解水の効果

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