床ずれ(褥瘡)は、皮膚を「圧迫する力×ずれ力×時間」が大きいければ大きいほど出来てしまいます。そのため、圧迫する力とずれ力をいかに予防するかが大切です。
圧迫する力を予防
圧迫する力を予防するには、自分で寝返りができない状況なら、最低2時間置きの体位交換が昔から推奨されています。しかし、在宅で夜間も2時間置きに体位変換することは不可能です。そこで、最近では高機能のエアーマット・体圧分散マットレスなど開発されています。介護保険を利用すると500円〜1500円/月程度でレンタル利用できるため、夜間まで体位交換をしなくてもよくなっています。
ずれを予防
ずれ力を予防するには、ずれを起こしにくい体位変換・姿勢をとることです。例えば、30度以上頭側をギャッジアップした時は、仙骨・尾骨・踵にずれる力が集中するので、ずれ力が集中した状態をそのままにせず、力を抜いてあげることが大切です。
もし、皮膚が赤くなっている所を発見したら
褥瘡は「圧迫する力×ずれ力×時間」でできるので、体中どこでもできる可能性はあります。例えば耳介・頭皮など目に付きにくい箇所でもできます。もし、皮膚が赤くなっている所を発見したら、一度指で押してみてください。その赤身が押すと白くなれば、褥瘡にはなっていません。しばらく除圧すると消えるでしょう。でも、指で押しても赤い時は、すでにステージ1の褥瘡が発症しています。(ステージ分類とは床ずれの深さを示す分類で1〜4の分類に分けられます)
床ずれのハイリスク
床ずれができるリスクがあるのか調べて、常に予防することが大切です。まず、4項目確認する必要があります。まず、自分で体位をかえる事ができますか?仙骨部の骨の突出がありませんか?浮腫はありませんか?関節が固まって動きにくい状態はありませんか?この4項目必ず確認してみましょう。自分で体位交換ができず、仙骨が突出していて、浮腫と関節拘縮があれば、褥瘡のハイリスクの状況だといえます。